COMPLETE BLUE HORIZON SESSIONS

ぶっきらぼうで飄々（3 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

チキン・シャックのブルー・ホライゾン時代、ファーストから「アクセプト」までの全曲集です。アウトテイクもあります。リマスタリングやリイシューの制作はマイク・バーノンが担当しています。リーフレットには全部の曲にパーソネルと録音データが書いてあります。スタン・ウェッブの演奏スタイルこそ、あまり変化していないものの、曲づくりはオーソドックスなブルーズのコピーからヘビーロックになっていく様子がわかります。またクリスティン・パーフェクトの脱退が、グループの色彩を変えてしまったことも…。あまり陽の当たらない3枚め、4枚めが通しで聴けることが何よりのメリットでしょう。

マイク・バーノンは、ピーター・グリーン時代のフリートウッド・マックや、サヴォイ・ブラウンをプロデュースしています。自分自身のソロ作品も残しております。彼が関わったこれらのグループが、この後レーベルを変えながらえんえんと生き残っていくわけですから、英国ロックの功労者と呼べるでしょう。バーノンがシャックに注いでいた愛着がよくわかる編集であります。

スタン・ウェッブは、クラプトンの対局にあるような人で、泣きのフレーズをほぼ弾きません。彼のぶっきらぼうなギターと飄々とした歌い方を味わえます。2024.06.13