BIGPINK901(BIG PINK)
紙ジャケット仕様。
誰もが一度は耳にしただろう名曲「ラヴィン・ユー」で知られるフィメール・ソウルSSW、79年作。随所で披露される、人が出せる声域を超えてないかという超ハイトーン・ヴォーカルには驚くばかりです。これ程の歌声の持ち主が31歳の若さで没した事を惜しまずにはいられません。
数多くのアーティストにカバーされる名曲中の名曲「Lovin' You」で知られる米フィメール・ソウルSSW。病没する3か月前にリリースされた79年5thアルバム。5オクターブを誇る声域を生かした表現力抜群のヴォーカルが何と言っても圧巻。ヒットした1曲目「Memory Lane」でのスウィートな歌唱は勿論、ファンキーなナンバーでのモータウンっぽいノリの歌唱もまた良い感じ。演奏陣の中では名手Harvey Masonのグルーヴィーなドラミングが冴え渡っていて、特にファンク・チューンでのビシバシ決まるプレイが最高に気持ちいいです。それにしても随所で彼女が披露する、人が出せる声域を超えてないかと思えるほどの超ハイトーン・ヴォーカルには驚くばかり。これ程の類まれなる歌声の持ち主が31歳の若さで没した事を惜しまずにはいられません。
帯【有】 解説【-】
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
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人生を駆け抜けたミニー、だらしなく生きている俺(3 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
英語で「がん」のことを「カンサー」(かに座)と言います。X線写真で胸に広がった病巣の様子が、カニに似ているから。ミニー・リパートンは、胸に広がったがんの罹患を公表し、がん撲滅のため、がん協会の広告塔も務めていました。そんな彼女が終末期にさしかかった病状といっしょに作り上げたレコードになります。「白鳥の歌」です。悲壮感はどこにもなく、ひたすら明るくにぎやかな作風は、逆につらくなってしまうほど、なのでした。
「リターン・トゥ・フォーエバー」という曲があります。東洋的な静けさと凛とした空気にある曲で、彼女特色の可聴域を超えそうな高音は出てきません。石川さゆりがものしそうな演歌です。一方で、スティービー・ワンダーゆずりの過激なリズムのモータウン・ファンクもございます。チャック・レイニーのベースが大変効いています。最後がホセ・フェリシアーノとデュエットする「ライト・マイ・ファイア」です。ジャズ・アレンジが施されたこの曲が、全く別の魅力を見せています。レイ・マンザレクが喜んだんじゃないかと思います。メジャーに転調してから、フェリシアーノとリパートンとのアドリブ合戦。生きているだけで人生儲けものだなあ、と、笑い声まで交えてのフェイドアウト。見事です。2024.05.02