アメリカのフォーク・ロック・グループ、70年の2nd。骨太かつ哀愁溢れるアンサンブルとソウルフルな女性ヴォーカル。黄昏色のオルガンも印象的。
MIKE HERON/SMILING MEN WITH BAD REPUTATIONS
INCREDIBLE STRING BANDの中心メンバー、ISB在籍中の71年1stソロ、J.ケイル/P.タウンゼント/K.ムーン/S.ウィンウッドほか超豪華ゲストが彩る傑作
1,190円(税込1,309円)
レビューは登録ユーザーのみ記入できます。
弾むビートに破滅的なギターが魅力(3 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
冒頭の「ユー・ドント・ラブ・ミー」は、オールマンもやっているあの曲です。カケレコさんには申し訳ありません。フォーク・ロックのバンドではないです。69年に「ベイビー・イッツ・ユー」がヒットし、ほぼカバー曲で占められたファースト盤はけっこう売り上げたようです。その勢いで制作されたセカンドで、彼らはプレッシャーに押しつぶされたそうです。グループの花形であるゲイル・マコーミックは、声量のある歌手で、スター候補でした。ブロンドときりっとした眉に特徴のある女性です。ゲイルがプレッシャーのためでしょう。疲弊して、録音に参加もできないような精神状態に陥ったとライナーにはあります。
ほかのメンバーにもカバー曲ではなく、オリジナル曲を書く、というプレッシャーが襲いました。それが西海岸風な、凡庸で人畜無害なポップ曲ばかり。ゲイルに代わり、メンバーが交代で歌っています。正直ゲイルほどの磁力がありません。ただ演奏センスはあります。特にベースが素晴らしく、この人がいたからR&B風のビートが効いていたんだと思います。というわけで、このグループ、2枚でブロークアップしてしまいました。セカンドもカバー曲で行けばよかったんでしょうね。今から考えると…。ギターが重く、オルガンが激しくて、ハードロックとしても聴けます。2024.05.15